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上杉鷹山と細井平洲―人心をつかむリーダーの条件 PHP文庫

内容(「BOOK」データベースより)

見事に復興なった米沢の地で平洲と鷹山は再会をはたした。二人とも無言で頭を下げ、目には涙があふれている。もはや師弟の間に言葉はいらなかった。―崩壊寸前の米沢藩をたて直した藩主・上杉鷹山。その苦しい藩政改革を陰で支えたのは師・細井平洲の教えだった。かの吉田松陰や西郷隆盛をも感動させたという細井平洲の思想とは?師弟の温かい触れ合いを通してその真髄にせまる。

目次

プロローグ 上杉鷹山の師、細井平洲
第1章 実学者・細井平洲の思想―現実感覚なきリーダーの戒め
第2章 改革の始まり―「民の父母」思想に共鳴した鷹山
第3章 教科書『嚶鳴館遺草』―真の経済の道とは何か
第4章 鷹山・改革の本質―リストラのためには何が必要か
第5章 「心の壁」への挑戦―人心をつかむリーダー
細井平洲(ほそいへいしゅう)先生
細井平洲(ほそいへいしゅう)先生は、財政困難の米沢藩(現山形県米沢市)を一代で立て直した第九代藩主上杉鷹山(うえすぎようざん)の師です。

米沢藩の「興譲館」は細井平洲(ほそいへいしゅう)先生が名付け親です。 「譲を興す」は、まさに人を人として敬い、譲り合う生き方が徹底すれば仲のよい地域社会となり、そのことによって国も栄えるという理念を示したメッセージと言えます。



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細井平洲語録
「子供というのは、いろいろと親のまねをします。それは、幼いときから、親のしぐさや話を見たり聞いたりしているからです。ですから、子供に善いことをさせようとするならば、まず親が善いことをして、見せるようにするのが当然です」

「人に、善いことと悪いことを判断して見分けることを教えなくて、善いことをしなさい、悪いことをしてはいけない、と言っても、その判断ができるものではありません」

「柔らかい苗木だからといって、無理に曲げたりして、自分の自由気ままに育てようとすれば、どんなに強い木であっても、傷ついて、やがて、成長したところで、ひねくれたり、ねじれたりして、役に立たない木になってしまう」

「幼いときから善い習慣を身に付けさせることが大切で、まだ幼いのだからといって、なおざりにしてはいけません」

「成長してから強くて堅い木になるものであっても、苗木のときは、皆柔らかくて弱いものであるから、大木の陰でなければ、風雨をしのいで育つことができない」

「大木としての親や周りのかたが、幼い子の陰日なたとなって、風雨から身を守るように」

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